🐶わんちゃんの不妊手術(女の子編)〜後編〜

2026-05-16

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目次(犬の避妊手術)


後編




1.OPEのリスクはある?


犬の避妊手術は、獣医師が日常的に行う手術の中でも最も頻度が高いものの一つであり、確立された安全な手術です。

そのため、過度に失敗を心配する必要はありません。


ただし、どのような手術にも100%絶対ということはなく、麻酔のリスクや術後の合併症の可能性はゼロではありません。

手術の成功率を限りなく高めるためにも、飼い主として、十分な術前検査(麻酔前検査)を行い、

経験豊富で信頼できる獣医師に執刀を依頼することが最も重要です。




2.飼い主として手術前と後で気をつけるべきことは?


飼い主さんが気をつけるべきポイント

愛犬を動物病院に慣れさせる
手術後の食事管理を見直す


・手術前

手術や入院は、犬にとって大きなストレスとなります。

特に動物病院に慣れていない場合、恐怖心から「病院嫌い」になってしまう可能性があります。

そのため、子犬の頃から体重測定や健康チェックなどで病院に足を運び、獣医師やスタッフに優しく接してもらう経験を積ませて、病院が怖い場所ではないと教えてあげることが大切です。


・手術後

避妊手術後は、ホルモンバランスの変化によって基礎代謝が低下するため、太りやすくなる傾向があります。

手術前と同じ量の食事を与えていると、肥満につながり、糖尿病や関節疾患など別の病気のリスクを高めてしまいます。

避妊手術後の適切な食事量や、必要に応じて避妊・去勢後用のフードへの切り替えについて、必ず獣医師に相談しましょう。




3.避妊手術のメリット


メリット

望まない妊娠を予防する
生理(ヒート)のトラブルがなくなる
命に関わる病気を予防できる
発情期のストレスがなくなる


・望まない妊娠を予防する

避妊手術を行う最大のメリットは、望まない妊娠を確実に防げることです。

飼い主さんの意図しない妊娠は、生まれてきた子犬たちの行き場に困るという深刻な問題につながりかねません。

愛犬と生まれてくる命、双方にとって悲しい事態を避けるために、避妊手術は非常にとても有効な手段です。


・特定の病気にかからなくなる

避妊手術は、メス特有の病気を予防する上で大きなメリットがあります。

特に、高齢の犬に多く、命を脅かすこともある「子宮蓄膿症」や「卵巣腫瘍」のリスクを完全になくすことができます。

また、前述の通り、早い時期の手術は「乳腺腫瘍」の発生率を大幅に低下させます。

これらの病気は、発症してからでは手術が困難な場合もあるため、予防できることは大きな利点です。



4.避妊手術のデメリット


デメリット

繁殖できなくなる
全身麻酔のリスクがある
太りやすくなる
縫合糸へのアレルギー反応
ドッグショーへの出場資格が無くなる
犬種による被毛の変化
尿失禁の可能性


・繁殖できなくなる

当然ですが、卵巣や子宮を摘出するため、手術後は二度と繁殖(出産)ができなくなります。

愛犬の子どもを望む場合は、手術を受けるべきではありません。


・全身麻酔のリスク

避妊手術は全身麻酔下で行われます。

健康な犬であればリスクは低いですが、心臓や呼吸器に疾患がある場合や、短頭種(フレンチブルドッグなど)は特に慎重な管理が必要です。

安全性を高めるため、術前の血液検査やレントゲン検査などで、麻酔に耐えられる健康状態かをしっかり確認することが不可欠です。


・麻酔のメカニズムについて

全身麻酔薬がどのように作用するかの詳細は完全には解明されていません。

ごく稀ですが、予測不能なアレルギー反応や体調の急変により、麻酔が命に関わる可能性もゼロではないため、事前の精密な検査が極めて重要になります。


・太りやすくなる

手術によるホルモンバランスの変化で基礎代謝が落ち、食欲が増す傾向があります。

これにより肥満になりやすく、「糖尿病」や「心疾患」といった生活習慣病のリスクが高まります。

愛犬の健康を守るため、飼い主による適切な食事管理と運動量の確保が術後はより一層重要になります。


・縫合糸に対してアレルギーが生じる可能性がある

ごく稀に、体内に残る手術の縫合糸に対してアレルギー反応(異物反応)を起こすことがあります。特にダックスフンドなどで報告例があります。

心配な場合は、体内で溶けて吸収される糸を使用できるか、事前に獣医師に相談してみましょう。


・ドッグショーへの出場資格が無くなる

ドッグショーは犬種のスタンダードを評価し、繁殖の指針とする場であるため、避妊手術を受けた犬は出場資格を失います。

そのため、ドッグショーへの参加を考えている場合は、手術の決断は慎重に行う必要があります。


・犬種によって被毛の変化が生じる

特にミニチュアダックスフンドのロングコートやポメラニアンなどの犬種で、避妊手術後に毛質が綿毛のように柔らかく変化したり、毛が伸びにくくなったりすることが報告されています。


・尿失禁

避妊手術との直接的な因果関係は未解明な部分もありますが、術後にホルモンバランスが変化することで、尿道を締める筋肉が緩み、尿失禁(特に大型犬)が起こりやすくなるとされています。

これは投薬でコントロールできる場合が多いです。




<まとめ>

女の子のワンちゃんの避妊手術について、方法からメリット・デメリットまで詳しく解説しました。

避妊手術は、病気の予防という大きなメリットがある一方で、全身麻酔のリスクや術後の体質変化といった側面も持ち合わせています。

多くの場合、手術は生後半年ほどのまだ子犬の時期に行われるため、飼い主さんにとっては不安や戸惑いも大きいことでしょう。

この記事の情報を参考に、かかりつけの獣医師としっかりと話し合い、愛犬の健康状態やご自身のライフスタイルを総合的に考えて、『愛犬と飼い主さんにとってベストな選択』をしましょう!

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